インプラントは保険適用できる?条件と費用を専門医がわかりやすく解説【2025年版】

はじめに
「インプラントって高いけど、保険は使えないの?」
「将来、保険でできるようになるの?」
こうしたご質問を、日々たくさんいただきます。
インプラントは大きな治療ですから、費用のことが気になるのは当然ですよね。
この記事では、インプラントが保険適用になる条件や費用の考え方を、インプラント専門医としてできるだけわかりやすくご説明します。
さらに、保険が使えない場合にどのように負担を軽くできるか(医療費控除・生命保険・給付金など)についても解説します。
目次
インプラントは保険適用になる条件と仕組み
なぜインプラントは原則自費なのか
インプラントは、顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療です。
噛み心地や見た目が自然で、快適に過ごせるのが大きなメリットです。
一方で、入れ歯やブリッジは「最低限の機能を回復する方法」として健康保険の対象になっています。
インプラントは「より快適・より自然な見た目まで回復させる治療」として扱われるため、原則として自費診療になるのです。
保険適用になるケース(2025年時点)
「じゃあ、どんなときなら保険が使えるの?」とよく聞かれます。
実はごく限られた特殊なケースだけが対象です。
- 生まれつきの病気や事故で、たくさんの歯を失った場合
- 腫瘍や大きなケガで顎の骨を切除し、その後の再建が必要な場合
こうした重度のケースのみが保険適用となります。
虫歯や歯周病で歯を失った場合は、残念ながら対象になりません。
保険適用になる歯科医院・施設
さらに注意が必要なのは「どこでも受けられるわけではない」ということです。
- 厚労省に認定された特定の医療機関
- 大学病院や総合病院の口腔外科
こうした限られた施設のみで、一般的な街の歯科医院では行えません。
将来の保険適用について
「今は無理でも、そのうち保険でできるようになりますか?」というご質問も多いです。
結論として、現時点でその予定はありません。
国の医療費の問題もあり、一般的なインプラントが広く保険適用になる可能性は低いのが実情です。
ただし医療の進歩や社会的ニーズによって、一部の条件が少しずつ広がる可能性はあります。
保険が使えない場合の費用対策とサポート制度
インプラントの費用目安
インプラントの費用は医院や症例によって差がありますが、全国的には 1本30〜50万円程度が目安です。
顎の骨を増やす手術や特殊な方法が必要な場合は、さらに費用が加算されます。
医療費控除の活用
「保険は使えなくても、医療費控除が使えるんですか?」
はい、その通りです。
インプラントは医療費控除の対象になります。
- 年間の医療費が10万円を超えたら申告できる
- 所得税・住民税の一部が戻ってくる
👉 詳しくはこちらをご覧ください
インプラントと医療費控除について
生命保険・手術給付金について
「生命保険の給付金は出ますか?」とよく質問をいただきます。
結論:一般的なインプラント治療は給付対象外です。
虫歯や歯周病で歯を失い、インプラントを入れるケースは対象になりません。
ただし例外として、
- 腫瘍や事故で顎の骨を切除し、その再建の一部としてインプラントを入れる場合
👉 「普通のインプラントは対象外。でも症例によっては給付される場合もある」と理解してください。
確実に知るには、加入している保険会社に「インプラント埋入術は給付対象ですか?」と確認するのが一番安心です。
定期的なメンテナンス
インプラントを長持ちさせるには「治療後のメンテナンス」がとても大切です。
- 定期的な検診で歯ぐきや噛み合わせをチェック
- インプラント周囲炎を予防
- 結果的に長持ちして余計な再治療費を防げる
👉 つまり「治療後も通い続けること」が、一番の費用対策になるのです。
まとめ
- インプラントは基本的に保険が使えない
- 特殊なケースでのみ保険適用となる
- 普通のインプラントは生命保険の給付対象にもならない
- 費用の不安は 医療費控除・保険の確認・定期的なメンテナンス でカバーできる
杉山デンタルクリニックでは、インプラント専門医が安全で確実な治療を行い、費用面についても丁寧にご説明しています。
「自分の場合はどうなの?」という疑問があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

執筆者
杉山デンタルクリニック 院長
東京歯科大学卒業後、杉山デンタルクリニックの院長となる。
日本口腔外科学会認定口腔外科専門医で、臨床研修指導歯科医師の資格も保有。多くの病院で口腔外科疾患やインプラント治療に従事し、患者さん一人ひとりにあった治療計画を提案しつつ、患者さんのQOL向上を目指す。