🦷 インプラントとMRI検査|治療後でも本当に受けられる?不安を解消する基礎知識

🔽 目次
MRIは本当にできる?インプラントと検査の関係をやさしく解説
MRIってどんな検査?放射線との違いと安心ポイント
MRI(磁気共鳴画像診断)は、強い磁場と電波を利用して身体の断面を画像化する検査です。レントゲンやCTとは違い、放射線を使わないため、被曝のリスクがないという大きな特徴があります。
頭部・脊椎・関節・内臓など、さまざまな部位の精密な診断に使われており、特に脳梗塞や腫瘍の早期発見には欠かせません。高齢になるほど検査の機会は増えるため、「将来的にMRIが必要になったらどうしよう」と、インプラント治療を迷われる方も少なくありません。
チタン製インプラントは大丈夫?影響の有無と理由を解説
当院でも使用している歯科インプラントの多くはチタン製です。チタンは「非磁性体」と呼ばれ、磁石にくっつかない性質を持っています。そのため、MRI装置の磁場の影響をほとんど受けず、安全に撮影することができます。
また、インプラントに使われているチタンは、X線吸収量が少なく画像にノイズやアーチファクトはほとんど起きません。
つまり、インプラント治療をしてもCT撮影、MRI撮影は問題なく行えます。
「検査できません」と言われたら?その理由と対処法
「インプラントが入っているならMRIはできません」と言われ、不安に感じる方もいますが、それは必ずしもインプラントそのものが問題なわけではありません。
MRI検査では、患者さんの体内に金属があるかどうかを事前に確認するため、すべての金属を一律に「要注意」として扱うことがあります。とくに、医科側でインプラントの材質が分からない場合、万が一のトラブル回避のために撮影を断ることもあります。
もしMRIを受ける必要がある場合には、以下の点を伝えてみてください:
- インプラントはチタン製で非磁性体であること
- 治療部位は口腔内のみであること
- 歯科医院で撮影の安全性を確認済みであること
これにより、医師や放射線技師が状況を正確に判断し、対応してくれることが多いです。
どんなときに注意が必要?検査をスムーズに受けるために知っておきたいこと
CTやレントゲンなら影響なし?検査ごとの特徴をチェック
CT(コンピュータ断層撮影)やパノラマX線は、歯科治療でもよく使われる画像診断法です。これらは金属による影響が比較的少なく、インプラント治療後でも問題なく使用できます。
一方で、金属があると多少の画像ノイズ(白い影)が映る場合もあります。しかし現在では、ICT(画像補正技術)やAIによる画像処理が進化しており、より鮮明で正確な診断が可能です。
MRIと違って磁場の影響を受けにくいことから、金属のある患者さんにも広く使われています。
注意が必要なケースもある?例外的なインプラント事情
一般的な歯科用インプラント(チタン製)であればMRI検査に問題はありませんが、以下のようなケースでは事前確認が必要です。
■ 磁石を使った入れ歯(オーバーデンチャー)を装着している場合
磁性アタッチメントと呼ばれる磁石を利用した義歯は、MRIの強力な磁場に影響される可能性があります。取り外して検査を行う必要があるため、事前に主治医に相談しましょう。
■ 歯科領域以外のインプラントが体内にある場合
人工内耳・ペースメーカー・脊椎インプラントなど、歯以外の部位に埋め込まれた機器がある場合、MRIが禁忌となることがあります。医師に製品名や資料を提示すれば、安全性の確認がスムーズになります。
杉山デンタルクリニックでは、患者さんのインプラント情報を丁寧に記録しており、医科への提出が必要な場合も速やかに対応可能です。
医科ではどう対応?画像診断の工夫と配慮の実際
医療機関では、MRIの画像に影響が出る可能性をふまえて、さまざまな対応がとられています。
- 撮影条件の調整(シーケンスや角度の変更)
- インプラント位置の確認と記録
- 医科歯科連携での事前相談
当院でも、ご希望があれば紹介状の発行や医科との連絡をサポートしておりますので、ご安心ください。
まとめ|インプラントとMRIの誤解をなくして安心の治療へ
- チタン製インプラントであれば、基本的にMRI検査は可能です。
- 稀に画像に「アーチファクト(影)」が映ることはありますが、健康被害や事故の心配はほぼありません。
- 「MRI検査はできない」と言われた場合も、インプラントの材質や治療歴を正しく伝えることで、多くは撮影可能になります。
- 磁石式義歯や他部位のインプラントがある方は事前相談を。
- 杉山デンタルクリニックでは、治療後も将来の医科検査に支障が出ないよう配慮したインプラント治療を提供しています。
💡 インプラント治療をご検討中の方へ
将来のMRI検査やCT検査に不安がある方も、どうぞお気軽にご相談ください。当院のインプラント専門医が、治療前にわかりやすくご説明いたします。

執筆者
杉山デンタルクリニック 院長
東京歯科大学卒業後、杉山デンタルクリニックの院長となる。
日本口腔外科学会認定口腔外科専門医で、臨床研修指導歯科医師の資格も保有。多くの病院で口腔外科疾患やインプラント治療に従事し、患者さん一人ひとりにあった治療計画を提案しつつ、患者さんのQOL向上を目指す。