生えかけの親知らずが痛い…痛みの原因と対処方法

生えかけの親知らずが痛いのはなぜ?
親知らずの位置と生え方の特徴
親知らず(智歯)は、奥歯のさらに奥に最後に生えてくる歯です。多くの場合、10代後半から20代前半にかけて少しずつ顔を出し始めます。しかし、顎のスペースが足りないと、まっすぐ生えられずに斜めに出てきたり、半分だけ歯ぐきから顔を出す「生えかけ」の状態になったりします。
この「中途半端に生えている状態」が、痛みや違和感の大きな原因となります。
歯ぐきの炎症(智歯周囲炎)による痛み
親知らずが部分的にしか出ていないと、その周囲の歯ぐきに食べかすや細菌がたまりやすくなります。これが原因で智歯周囲炎という炎症が起こり、歯ぐきが赤く腫れてズキズキとした痛みが出ます。炎症が強いと、「眠れないほど痛い」「頬まで腫れる」といった症状になることもあります。
出血や口臭の原因になることも
炎症が進むと、歯ぐきから血が出たり、膿がたまって口臭が強くなる場合があります。「なんとなく臭いが気になる」という方も、実は親知らずの炎症が原因のことが少なくありません。
違和感や眠れないほどの痛みが出るケース
生えかけの親知らずは、歯ぐきの腫れや周囲の歯を圧迫することで強い違和感をもたらします。ひどい場合は「頭痛や耳の痛み」にまで広がることもあり、仕事や勉強に集中できない・夜眠れないといった生活への支障も大きいのが特徴です。
痛みを放置せずに知っておきたい対処法
自宅でできる応急処置(市販薬・冷やすなど)
強い痛みが出たときは、まず市販の鎮痛薬を正しく服用し、腫れた部分を冷やすことで一時的に和らげることができます。ただし、これはあくまで一時的な対処であり、根本的な解決にはなりません。アルコールや喫煙は炎症を悪化させるため控えましょう。
「痛いときに抜く」のは正解?抜歯のタイミング
「痛いときに抜歯して大丈夫なの?」と心配される方も多いです。実際には、炎症が強く腫れているときに抜歯を行うと治りが遅くなることもあるため、抗生剤や消毒で炎症を抑えてから抜歯をするケースが一般的です。ただし、症状や生え方によっては緊急的に処置することもあります。自己判断せず、必ず歯科医院で相談してください。
腫れや出血はいつまで続くのか?
炎症や抜歯後の腫れは、通常2〜3日がピークで、1週間ほどで落ち着くケースが多いです。血がにじむ程度であれば自然に止まりますが、長引く出血や強い腫れが続く場合は感染の可能性もあるため早めの受診が必要です。
放置するとどうなる?隣の歯や全身への悪影響
「しばらくすれば治るだろう」と放置すると、炎症が慢性化し、隣の歯まで虫歯や歯周病にしてしまうことがあります。また、細菌が血管を通じて広がると、まれに全身に悪影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。
歯科医院での治療と抜歯の流れ
歯科医院では、炎症が強い場合はまず洗浄・抗生剤の投与で症状を落ち着かせます。その後、親知らずの角度や位置をレントゲンやCTで確認し、必要に応じて抜歯を行います。埋まっているケースや斜めに生えている場合は、口腔外科の専門医が安全に処置します。
安心して抜歯を受けるためのポイント(専門医・地域選び)
難しい親知らずの抜歯は、経験豊富な口腔外科専門医に相談するのが安心です。杉山デンタルクリニックはインプラント・口腔外科専門医が在籍しており、市川・本八幡エリアでの抜歯対応に強みがあります。地域密着型の歯科医院で、術後のケアやメンテナンスまで一貫してサポートできるのも特徴です。
まとめ|親知らずの痛みは放置せず早めに歯科相談を
生えかけの親知らずの痛みは、「ちょっと違和感がある」程度でも放置すると炎症が悪化し、眠れないほどの痛みや腫れにつながります。応急処置で一時的にしのぐことはできますが、根本的な解決には歯科医院での診断と治療が不可欠です。
市川・本八幡周辺で親知らずにお困りの方は、ぜひ当院までご相談ください。
外部参考:

執筆者
杉山デンタルクリニック 院長
東京歯科大学卒業後、杉山デンタルクリニックの院長となる。
日本口腔外科学会認定口腔外科専門医で、臨床研修指導歯科医師の資格も保有。多くの病院で口腔外科疾患やインプラント治療に従事し、患者さん一人ひとりにあった治療計画を提案しつつ、患者さんのQOL向上を目指す。